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2月1日(金)公開 政界スキャンダルを描いた『フロントランナー』 
アメリカ合衆国大統領になり損ねた男、ゲイリー・ハートを演じた主演のヒュー・ジャックマンが来日


2月1日(金)に全国公開されるアメリカ映画『フロントランナー』の主役、ヒュー・ジャックマンが来日。公開に先がけて都内で記者会見を行った。
映画は史上最年少でアメリカ合衆国大統領になると目されていた男、最有力候補=フロントランナーのゲイリー・ハートが、不倫スキャンダルをマスコミにスクープされて失墜してゆく話。ハートの選挙陣営、スクープを報じるマイアミ・ヘラルド紙、スクープを逃すワシントン・ポスト紙、そしてさまざまな立場の女性たち、と多方向から描かれている。以下はジャックマンとの一問一答から。(2019年1月22日 記)
スキャンダルを報じられる役柄とは違い、さわやかに登場したヒュー・ジャックマン

●ゲイリー・ハートという政治家を演じるにあたり膨大なリサーチをされたと思いますが、このスキャンダルが発覚するまで、当時の国民の心をつかんだ(支持を得た)いちばんの要因は何だと考えられますか。
■ジャックマン■
彼は当時もいまも理想主義者。若い人をインスパイアする資質をもっていました。JFK(ジョン・F・ケネディ)の再来と言われるほどほんとうに変革を起こすことのできる 政治家だとも思われていた。もっともすぐれていたところは10 年、15 年先を見ることができていたことです。1981年に彼は、まだガレージでコンピューターをつくっていたスティーブ・ジョブスと一緒にランチをしています。そして「これからはコンピューターの世界だからすべての教室に導入しよう」という発言をしています。1983年、アメリカは石油にこだわりすぎだと考え、中東との戦争になりかねないという発言をしています。1984 年、ソ連のゴルバチョフと会い、レーガンが宇宙への計画を進めているさなかに、冷戦時代は終わり過激派が中東で生まれる、ということも予測しています。さらに 2000 年、テロ攻撃をうけるという警告もしています。もしこのようなひとがリーダーになっていたら、いまと違った世の中になっていたと思いますし、ほんとうに人々に愛さ れ、より良い世界を築けた人物であったのではないかと思います。

●インスタなどSNSでファンへ素敵なメッセージを直接届けていますが、ジャーナリズムを専攻なさっていたジャックマンさんは、SNS がなかった時代といまとではどのようにジャーナリズムは変わったと思いますか。ゲイリー・ハートの時代にSNS があったら彼はどんな風に活用していたでしょう?
■ジャックマン■
ジャーナリストのジョージ・ステファノプロス(元クリントン大統領補佐官)というひとが言っていたことがあります。ゲイリーがスキャンダルを報道されたときはすでに時代の流れが変わりつつあるときだった。いまは情報のアクセスに限界がなく、政治家は単なる政治的なリ ーダーとして理念や思想だけ語るのではだめな時代です。ひとから好かれ共感できる人物を演出しなければいけない。あまりに情報が早くリアルタイムでやり続けなければならず、即断を求められ、政治家にもジャーナリストにとっても、ふり返ったり考え直したりする時間がない大変な時代で、雑然とした状況です。もしSNSがあったらもちろん受け入れるしかないと思いますが、ゲイリーはたぶん気に入らなかったと思いますね。あるエピソードとして、あるときチームの人間がこう言われたそうです。「我々がXをやろうと言ったとき、 いまこのときこの場では良いことも、ホワイトハウスに8年いるつもりのわたしたちにとって、数年先にそれが良いかどうか」。彼はアメリカだけでなくすべての世界にとっての影響を考えなければいけないと言っていました。





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